喉を舐めたい。


「ちかげちゃんの喉は、コリアンダーの味、黒胡椒の味、マーマレードの味」

「・・・褒めているのか・・?」

しどけない寝巻姿で上を向く白雪は時々可笑しな事を垂れる。
衣擦れの音が薄闇に浮いた。
今は紫にも見えるその髪の隙間にぼんやりと白色が覗く。

「メンソール、バター、柳葉魚、ビーフジャーキー・・・」


ビーフジャーキー?

「・・・おやすみ白雪」

彼女の目は閉じない。